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千葉県歴史教育者協議会(千葉県歴教協)のサイトです。

例会情報2022年8月9月

会員以外の方で支部例会に参加をご希望の際には千葉県歴教協の代表メールにご一報ください。

船橋支部
8月23日(火)第18回夏の歴史見学会
テーマ「関東大震災と船橋における虐殺および戊辰戦争の脱走様」

千葉支部
9月3日(土)17:00~ Zoomでの例会
  授業実践報告2本/歴史地理教育8月号中学校の授業村澤尚志実践中学生の見たロシア・ウクライナ紛争の分析

香取支部
8月4日(木) 7月例会「コロナ禍の学校生活」「香取民衆史11 号の配布等」
会場:小見川社会福祉センター・さくら館

8月25日(木) 8月例会「『香取通信600号』『香取民衆史11』発行記念の会」
会場:小見川・魚平食堂(予定)

日本史部会
8月21日(日曜日)13:00~16:00
千葉市中央コミュニティセンター

東葛支部
8月22日(月曜日) 19:00~
  新任教員の1学期の報告

県事務局から
総会のおしらせ 
  9月25日(日曜日)13時から千葉県歴史教育者協議会第57回総会を行います。昨年度に続いてZoomによる開催とします。9月上旬までに総会の議案書や議決書を郵送でお送りします。

秋の見学会のお知らせ
  11月3日(木・文化の日)に木更津方面で秋の見学会を行います。2020年は現地での実施を止めてプレイベントをZoomで開催し、2021年も延期となってしまい、2022年いよいよ現地で開催をします。こちらの案内も上記の総会の議案書とともにチラシを送ります。ご参加をお待ちしております。

例会情報2022年7月

会員以外の方で支部例会に参加をご希望の際には千葉県歴教協の代表メールにご一報ください。

船橋支部
7月1日(金) 支部例会Zoom会議
・山下達也著『学校教員たちの植民地教育史─日本統治下の朝鮮と初等教員─』(風響社2022 年)の書評
・夏の見学会資料検討

千葉支部
7月2日(土)17:00 ~ Zoomでの例会
①「鎖国の授業」その2 これまでの歴史総合の授業の感想など
②歴史地理教育6月号小学校の授業5年 板垣雅則実践「これからの工業生産と私たち-アパレル産業を中心として」
2本のレポート以外にも報告するレポートがある方は早めにお知らせください。

習八支部
7月16 日(土) 9:30 ~ 12:00 東習志野コミュニティーセンター
報告「オンライン授業小6 江戸図屏風の読み解き2」報告者高木

松戸支部
7月20日(水)18時~ 松戸市民会館202 室
金ケ作の開墾と史跡

香取支部
7月7日(木) 19 時 定例委員会 小見川社会福祉センターさくら館
7月21日(木) 18 時30 分7 月例会(内容未定) 小見川社会福祉センターさくら館
随時香取民衆史第11号校正(翌月完成予定)

東葛支部
7月29日(金) 19時~ 例会(zoom)

日本史部会
7月17日(日曜日) 13:00~17:00 世界史部会との合同例会
8月21日(日曜日) 13:00~17:00 両日ともに千葉市中央コミュニティセンターにて。

世界部会
7月17日(日)13時~15時日本史部会と合同例会日本史部会と合同例会内容は未定
15時~17時サークル室2 世界部会『世界史のなかの物2』原稿検討

安房支部
7月19日(火)13:30 ~ 16:00 第69回知恵袋講座会場:館山市菜の花ホール
講師:上田敦子(千葉県AALA事務局長)
「紛争が起きても戦争にしない~ AALA活動とASEAN ツアーから学ぶ」

社会科授業づくり講座 9月講座(感想を追記)

社会科授業づくり講座 9月講座
日 時: 2022年9月18日(日)10:00~13:00
方 法:Zoomによるオンラインで実施(参加ID等は後日連絡します)
参加費 : 500円(学生または年間費をお支払いいただいている方は無料)
テーマ 「生徒に自分ごとの学びを促す授業」
講師 平井 敦子 さん(札幌市立中学校教員)
問い合わせは歴史教育者協議会https://www.rekkyo.org

2022年度9月講座 感想まとめ

1.講師平井敦子さんから
報告の機会を与えていただきありがとうございました。日常の授業というより、ちょっとだけ特別な授業ではありますが、みなさんの疑問に答えながら、自分でも実践を客観的にみることが少しできたように思います。
余談ですが、先日地理の授業で、中2の生徒に「東京」に関してテレビを毎日見てるかな?週刊誌など雑誌を買っているかな?ときくと、本当に今はそういうことをしていない。情報は、全国、全世界から発信されるYouTubeなど。一昔まえなら、新聞社や出版社名、テレビ局、地名のいろいろを地図帳で発見すると「あ、知っている!」と親近感がわくのですが、この反応もとても低くなってきました。
常に、生徒にじぶんごとにしていくには、こちらも、毎回、考えなければなりません。日々、考えること、これが授業づくりだなあ、と思います。

2.参加者の感想
<高校教員(元も含む)>
〇私は今年度より沖縄で教育活動をしているのですが、平井さんのような「沖縄」に移住するぞ!は可能か考えてしまいました。北海道と沖縄では飛び地という点で共通していますが、沖縄では沖縄出身者が多いし、開拓地ではない。うまく真似て実践できないものか考えながら聞いていました。
〇「戦時下の模擬家族いいよ」と聞いていたので、どうしても参加したい!と思っていた講座でした。模擬家族だけではなく「我が家の20世紀年表」、「よし移住するぞ」etc。あっという間の3時間でした。戦争は重いテーマですが、年表や模擬家族だったら高校生だって大人だって、暮らしがベースなので分かりやすく学び今を見つめる目を自身の中に育てることが出来そうです。目の前にいる高校生verにアレンジしてみようと思います。

<中学校教員>
〇今回の実践報告を受けて、当時の歴史の当事者が自分だったらどうするのか?という問い立て、「自分ごと」として学ぶ社会科学習の実践は、とても新鮮で印象に残るものでした。「自分ごと」に捉える授業の実践、私自身のこれからの授業づくりのヒントにしていきたいです。
〇平井先生の授業実践①家族100年史、②北海道の開拓とアイヌ、③模擬家族は「生徒が「自分事」できる」が共通するキーワードになると思いました。次に、平井先生の授業実践を私自身の授業実践にいかすことができないか、考えてみました。その上でも、今日の授業は生徒にとって「自分事」になっていたかと問い直していきたいです。
〇平井さんの実践のお話は大会でお聞きしたり、歴史地理教育で読んだりしていますが、今日は内容をさらに掘り下げ、さらには授業づくりに対する考えまでも聞くことができ、あっという間の3時間でした。
  社会を上から動かしてきた人々による歴史ではなく、この社会の基盤になる部分から動かしてきた民衆、そうせざるを得なかった人々に心を寄せる歴史観が、現代の社会を見つめ、「自分がその立場だったら・・」というエンパシーをもたせることにつながるということに、とても納得しました。
 
<小学校教員>
〇今回の平井先生の実践を聞いて、工夫次第で「自分事にする」授業が実現できるのだということに気づかされました。簡単にできることではありませんが、もう少し考えてみよう、頑張ってみようと思うことができ、それだけでも今回の講座に参加できてよかったと思います。

<特別支援学校教員(元も含む)>
〇北海道の移住も屯田兵くらいしか今まで授業で扱ったことはあまりありませんでしたが、実際に地図や写真をみるとどれだけ開墾が大変だったかとてもよく分かりました。そして開墾を進めるにあたってそこに生活の基盤を持っていたアイヌの人々の悲しみ・辛さをはじめて理解することができました。社会科の役割として地理・歴史・公民のいずれも「遠くのできことではなく、自分が生きている今と深く関わっているということ、そして、決まっていないこれから先の未来を学んだことからどう選択するのかを真剣に考えてほしいと伝えること」ではないかと強く感じました。
〇特に、授業の内容を生徒が「自分事」として学ぶとはどういうことか。そこを理解することが平井さんの授業論の核心と思いました。アイヌの歴史について構造化された授業 自分事として学ぶことが可能な授業 ―これは、沖縄の歴史、在日朝鮮人の歴史、原発立地地域の歴史等 テーマをおきかえてもできるのではないか。その可能性を平井さんの授業実践から感じました。
〇「北海道に移住する模擬家族」にしても「戦時下の模擬家族」にしても、歴史を「自分ごと」としてとらえる
ことができて、かつグループでワイワイと言い合いながらできるので、生徒たちが社会科が好きになるわ
けだと思いました。
〇生徒が「自分事」に感じる授業をするためには、教師が「自分事」に学ぶことの重さや豊かさを実感しな
ければという平井さんの言葉は、もう退職して久しい自分にも、高校生平和ゼミナールの活動を通じて、
生徒に伝えたいことがあるので、これからも「自分事」として学んでいかなければ…と思いました。

<大学・大学院教員>
〇決まりきった授業のやり方は教えることができます。だが、どう教材を発掘するのか、それをどう料理するのか、どう「自分ごと」にさせるのか。そのセンスの部分は教えることができません。だから、センスを磨きたいのです。「主体性」ってそういうことなんだよね。
〇今回、zoomのブレイクアウトルームを使った場面があった。私と同じメンバーだったのは、大学二年生が二名、大学三年生が1名であった。二年生は、まだ教職の授業を始めたばかりと言っており、大学三年生はまだ模擬授業を始めたばかりと話していた。社会科はどうしても暗記科目と認識されてしまう、という話題が話し合いの最中に出た。社会科を暗記科目と捉える認識は根強く残っている。この問題と向き合うことも我々の課題と言えよう。
<学生>
〇そのため、平井さんの実践の中にもあった、「さあ、北海道に移住するぞ!」は自分の授業と比較したり、知見を広げたりしながら見させていただくことができました。北海道の授業をする上で、北海道の歴史を土台として学ばないわけには行かないことをさらに深く感じることができました。授業作り講座で学んだことを今後にも活かせるよう、また私もたくさん勉強していきたいです。
〇今回の講座で一番感じた事は、何を伝えることを目的に授業を行うのかを明確にすることの大切さです。
〇今回の講座において「自分事として考えさせる」ということの難しさだったり、時間の使い方だったり、学ぶことがとても多くありました。写真1枚1枚に対する意味もしっかりとあり、ただ提示するのでは意味がないということも改めて理解することができました。
〇今回の講座に参加して、現在、教師として現場で仕事をしている方から実際にそこで行われている授業実践を聞いて学ぶことは、教職の勉強をする上でとても大切なことだと感じました。
〇私が今回の講座の3つキーワードを挙げるとすれば、それは「自分ごと、模擬選挙、模擬家族」です。
〇遠い過去のことや離れた地で起きていることを自分事として考えることは容易なことではありませんが、教師が意識して授業を作ることで手助けができると知りました。先達の良い授業を取り入れ、自分の教師としての力に結びつけたいと考えています。

3.司会より
 学生28名を含む48名という非常に多くの方が参加してくださいました。今回は、札幌で中学校の教員をされている平井さんが講師ということもあり、北海道からの参加者も非常に多かったです。学生の参加者もオンラインでの開催を始めてから増えてきています。年齢、校種、地域と参加者の広がりを見ると、対面で話せない寂しさやもどかしさはありながらも、オンラインだからこその良さも現れてきたように感じています。
 今回の講座では、「主権者としての生徒を育てる」、「生徒が自分事として考えられる授業をする」ことをテーマに大きく3つの実践を紹介していただきました。中学校での実践ではありましたが、小学校に務めている私にとっても、生かせること、考えさせられることが多く、校種や教科を問わず、大事なことをたくさん学ぶことができた3時間になったと思います。
 参加者が多かったことを踏まえ、初の試みでしたが、ブレイクアウトルームを使用した交流会の時間も設けました。学生からベテランの教員の型まで、幅広い視点や価値観での意見交流ができ、こちらも有意義な時間になったという感想を多数いただくことができました。今回はグループ分けを完全にランダムにしてしまいましたが、次回はグループ分けや時間配分も工夫することでよりよい交流の場へと改善できそうでした。司会、運営の課題として、次回に生かしたいと思います。
最後に、お忙しい中、講師を引き受け、素敵な実践を提供していただきました平井先生、改めてありがとうございました。各参加者、そして、それぞれが受け持つ子供たちへと今回の学びが還元されるよう、一参加者として、私も努力していきたいと思います。11月講座もオンラインにて開催予定です。こちらも多くの方のご参加をお待ちしています。

2022年7月30日 明治大学平和教育登戸研究所資料館 シンポジウム『「戦争を伝える」ということ』

【開催概要】
明治大学平和教育登戸研究所資料館は,2022年7月30日,シンポジウム『「戦争を伝える」ということ』をオンライン方式で開催いたします。

シンポジウム名:『「戦争を伝える」ということ ―歴史・平和教育の大ベテランから次世代の教育者たちへ託すメッセージ―』
日  時:2022年7月30日(土)13:00~15:00
開催方法:Zoomのウェビナー機能を利用したオンライン方式 ※ライブ配信です
対  象:全国の学校教員,教員を目指す学生の方,当シンポジウムに興味がある方
参 加 費:無料
定  員:400名(事前申込制,先着順)
主  催:明治大学平和教育登戸研究所資料館
申込方法:noborito★mics.meiji.ac.jp宛てに氏名,メールアドレスを添えてお申し込みください。7月25日(月)申し込み締め切り。(★を半角の@に変えてください)

明治大学平和教育登戸研究所資料館ウェブサイト
https://www.meiji.ac.jp/noborito/info/2022/mkmht00000010ad8.html

【内容】
学校教育の現場で長年歴史教育・平和教育に尽力してきた3名の先生方が,これからの担い手である現役学校教員の先生方,教員を目指す学生の方々に向けて,先輩教育者として「戦争を伝えるということ」を伝えるべく,発表やディスカッションを行い,参加者からの質問に答えます。

2022.7.3 地域と民衆の歴史を学ぶ講演会

第19回地域と民衆の歴史を学ぶ講演会
テーマ:子育てと仕事の両立をめぐる同時代史―松戸の子育てサークルの回覧ノートを手がかりに
講師:和田 悠 さん(立教大学文学部教授)
日時:7月3日(日) 13:00~15:00
ZOOMを利用してオンラインで開催します。
参加費は無料です。
<講演概要> 
1970年代から80年代にかけて千葉県松戸市で展開した、子育てサークル「てくてく勉強会」。勉強会に集った会員が回しあっていた子育てノートがあります。題して「てくてくノート」。このノートには、同時代の子育ての悩みや夫婦関係の葛藤、職場での困難など、子育てをしながら働く女性たちのさまざまな経験が詰まっており、同時代のジェンダーや民衆意識を理解する格好の一次資料ともなっています。私は、このノートを用いて、大学生たちと同時代史を学ぶ演習も行ってきました。こうした大学での教育実践も踏まえつつ、ポスト高度成長期の地域と民衆の歴史に迫ってみたいと思います。

例会情報 2022年6月

千葉支部
6月4日(土)17時~ Zoomでの例会
実践プランの報告
歴史地理教育5月号の読み取り

習八支部
6月18日(土)9時30分~12時東習志野コミュニティーセンター
報告「船橋藤原新田の村方騒動」

松戸支部
6月15日(水)18 時~ 例会松戸市民会館202室
内容日本の軍国主義思想を問う

香取支部
6月2日(木) 18期30分民衆史11号編集委員会定例委員会
会場:おみがわ社会福祉センターさくら館
6月30日(木) 18時30分例会報告未定会場:おみがわ社会福祉センターさくら館

東葛支部
6月24日(金) 19時~ 例会(zoom)

日本史部会
6月19日(日)13時~17時例会場所:千葉市中央コミュニティーセンター5階集会室
内容:「博学連携」の実践「古代東アジアのなかの日本-「倭国」から「日本」
歴史総合の授業開きで「鎖国」とは何かを考える

世界部会
6月19日(日)13時~17時サークル室2 『世界史のなかの物2』原稿検討
7月17日(日)13時~15時日本史部会と合同例会日本史部会と合同例会内容は未定
15時~17時サークル室2 世界部会『世界史のなかの物2』原稿検討

船橋支部
6月1日(水)夏の歴史見学会下見東武線塚田駅9時集合
6月3日(金)18:30~ Zoomでの例会
・県委員会報告
・豊富地域の見学会案
・夏の見学会計画および資料作りについて
・その他
7月1日(金)支部例会Zoom会議

例会情報2022年5月

船橋支部
5月6日(金)
支部例会
  ・船橋の戦争碑一覧 ・『歴史地理教育』書評

千葉支部
5月7日(土)17:00~
Zoomでの例会
  5月分のレポート報告者が決まっていません。誰か報告できるか違いましたら早めにお知らせください。
  ①歴史地理教育5月号佐藤幸二実践小学校の授業6年小学六年生の憲法学習─新学習指導要領下で憲法をどう学ぼうか

習八支部
5月21日(土)9:30集合 解散12:00
フィールドワーク予定 
参加費500円
  テーマ 関東大震災と八千代市域~高津山観音寺の慰霊碑を訪ねる~
  場所 高津山観音寺八千代市高津1347 京成八千代台駅西口徒歩20分バスあり

松戸支部
5月18日(水) 18:00~
5月例会
松戸市民会館201室
  日本の軍国主義思想を問う その他持ち込み

香取支部
5月12日(木)19:00~
香取民衆史第11号編集委員会、定例委員会
会場:小見川社会福祉センターさくら館

5月26日(木)18:30~
例会「香取民衆史第11号の原稿検討」
会場:小見川社会福祉センターさくら館

東葛支部
5月20日(金)19:30~
支部例会 Zoom
  「歴史総合」の報告

日本史部会・世界部会
5月22日(日)13時~15時
千葉市中央コミュニティセンター集会室
  「勝山論文分析」
サークル室2 世界部会
  『世界史のなかの物2』原稿検討

6月19日(日)13時~17時
サークル室2 『世界史のなかの物2』原稿検討
7月17日(日)13時~15時
日本史部会と合同例会

社会科授業づくり講座 6月講座と年間計画(感想を追記)

社会科授業づくり講座 6月講座

日時 : 2022年6月12日(日)10:00~13:00   
会場 : 東京学芸大学附属竹早中学校 4階 社会科室
※Zoomによるオンライン参加も可能です(ID等は後日連絡します)
参加費 : 500円(学生または年間費をお支払いいただいている方は無料)

テーマ 6年生の憲法学習―新学習指導要領下で憲法をどう学ぼうかー
講師 佐藤 幸二 さん(小学校教員)
内容 新学習指導要領改訂で小学6年社会科の歴史分野と政治分野の単元が逆になりました。憲法誕生の歴史を学ばずに憲法の中身だけを学ぶ。しかも「義務意識」が強調されるような学習でよいのかとの疑問の声もある中、現場は指導要領通りの授業が進む現状にあります。子どもたちが日本国憲法を「遠い存在」ではなく「身近な存在」としてとらえ、現憲法の中身や生誕の歴史をつかむ授業をどう創るか、さらに6年全体の社会科学習で憲法をどう深めていく授業を設定できるのかについて皆さんで考えたいと思います。

詳しくはチラシをご覧ください。
年間計画も合わせてご確認ください(最初の投稿から、9月の日程を修正しています)。
なお、お問い合わせはチラシに書かれている歴教協本部のアドレスにお願いします。

2022年度6月授業づくり講座のまとめ
◆テーマ:「6年生の憲法学習-新学習指導要領下で憲法をどう学ぼうか-」
◆講 師:佐藤幸二さん(埼玉公立小学校教員)
◆参加者:18名 小学校6名 中学校3名 高校3名 特支3名 学生 3名

◆佐藤幸二さんからのコメント
講座での発言、その後の感想を読むにつけ、小学校社会科が抱える問題点を多くの方々と共有できたこと、その問題を小学校教員のみならず中・高教員、さらに大学で学ぶ「未来の教師」の方々と検討する大切さを改めて実感しました。学校現場は多忙さを極め、追い打ちをかけるようなコロナ禍の対応は教員の「教えること」への制約をいまだに加えています。子どもたちが学ぶ内容を「自分事」と受け止め、自分の思いや願いを言葉に発して皆で真理を探究する授業づくりが大切です。

普段の生活から「平和」の中身を「自分事」としてとらえつつ、連日報道されるウクライナの「地下壕で爆音に怯え、手にするゲームで恐怖を紛らわす男の子、缶詰に指を入れてすくいながら空腹を満たす女の子」の姿を目にした時、私たちの子どもたちは「平和」とはどういった社会であるか、それを壊すもの、それを守るものは何かをあらためて考えてくれるのではと思います。アプローチこそ違え、憲法や平和を子どもと共に考える授業を今後も創造・実践したいものです。   

◆参加者の感想

○本日の佐藤さんのお話、大変興味深く聞かせていただきました。冒頭の井上陽水のことなど、佐藤さんのちょっと後輩の私には、とても懐かしいものでした。
中学校教員の私も、小学6年の社会科が政治・憲法→歴史の順になったことで、現場はご苦労されていると聞いていました。そのなかで、憲法を学ぶことで、その後の歴史を考える物差しになるという、どなたかのご発言には「なるほど、そういう考え方もあるのか」と思いました。
しかしながら、憲法三原則が歴史的背景抜きに学ぶことは出来ないと思います。
佐藤さんは、平和主義の学習に沖縄戦をとりあげて「へいわってすてきだね」とからめて、平和とは何かを考えさせる取り組みをされてとてもいいなあと感じましたが、やはり歴史を先に学んでいくほうが二度手間にならなくてよいかなとも思います。
中学校では、歴史を踏まえて現憲法の意義を扱いますし、人々のたたかいの末勝ち取った「憲法は国家権力を縛るもの」という点も理解しやすいと思います。(小学校では扱わなくても、中学校でも十分にできているか課題でもありますが)なにより「人権」や「民主主義」が「すでにあるもの」として学んでも、三原則の大切さが印象に残らないような気がします。
「住民が地域の主人公」「国民が主人公」という憲法の原則を、実際にたたかっている人々から学ばせたいと思います。(地理でも歴史でも)小学校で具体的な地域や時代に即してイメージを持たせられたら、中学校としてはやりやすいと思っています。小中の実践交流も大事ですね。いろいろと触発されたお話でした。佐藤さん、本当にありがとうございました。(Iさん)

○6年生の最初におこなった「鬼滅の刃をとおして、日本社会の歴史やしくみをのぞく」授業は、児童の流行や文化を把握した上で教材化をし、初めて出会う先生だったからこそ、児童の興味関心を高められたと考えた。日常から教材になるものを探して、授業実践をすることの大切さを感じました。
 新学習指導要領の下での憲法学習は、学校現場でも混乱を招いています。佐藤先生もおっしゃっていたように、憲法学習が先に来ると、日本国憲法が歴史の中でどのように位置づけられたものが分からないため、歴史学習との結びつきが浅くなり、理解を深められないと考えました。さらに、日本国憲法はとっつきにくいため、いかに言葉をかみ砕いてわかりやすく指導するかがより大事であることを学びました。
 「平和」を身近に考えることについては、ウクライナ戦争のこともあってか、私自身が「平和とは、戦争のない状態」という固定観念で考えていたことに気づかされました。普段の生活でやりたいことが不安なくできる状態も「平和」の1つであることを学び、もう1度「平和」とはどういった社会であるか、今の自分は果たして「平和」な状態と言えるのかと問い直すきっかけとなりました。日本国憲法の学習を軽視する反面、国防意識を重視するような内容も含まれていることは、歴史の中の憲法の過程を全く無視した、極めて危険な状態です。中高では単なる暗記だけに終わらず、戦争の惨禍を繰り返さないためにも、9年間(+3年間)を広く見通して、深め続けなければならないと考えました。(Kさん)

○今回、初めて授業づくり講座に参加させて頂きました。私は高校の教員をしているので、今回の佐藤幸二さんの小学校での憲法の授業についてのご報告は、いろいろな点で新鮮でした。普段接している高校生を見ていて、小学校以来憲法については、いろいろなことを習ってきているだろうと思っているのですが、その実際については、なかなか知る機会がありませんでした。その意味で、今回のご報告にはいろいろ目を開かれることがありました。
まず、小学校でこれだけ系統的に憲法学習がおこなわれていること、三原則はやはり必ず取り上げる一方、立憲主義については必ずしも教えないこと、従来は歴史学習が6年生の前半にあって、戦争の惨禍を知って、憲法の平和主義を学ぶため、その意義が自然に理解できるようにカリキュラムが構成されていたこと、ところが、最近の教科書ではこれが逆転して憲法学習の後に歴史学習が来て、平和主義と戦争体験の繋がりが子どもに見えにくくなっていることなど、興味深いと同時にとても心配なことを具体的な現場の事情を踏まえて語って頂き、よく理解できました。歴史学習を先に学ぶべきという佐藤さんの提案が業者テストとの関係で若い同僚の方々に受け入れられないというような話は、学力テストが全国一斉実施になって以来、小学校現場が大きく変わった、という以前からお聞きしている話に重なる重要な問題と思われました。
ただ、一方で実際に憲法を先に学んでいることで、歴史学習で戦争について学ぶ際にその意義を自覚して子どもが勉強できるという利点もあるとの指摘は、やはり授業してみないと実際のことはわからないということを改めて確認できました。憲法の学習を先にやらざるを得ないとしてもそれを前向きにとらえて、次の歴史学習の後、再度憲法について平和主義を中心に学び直すというやり方もあるのだろうと思いました。こうした点は社会科が解体されて科目別にバラバラに歴史や公民学習をせざるを得ない高校でも取り入れたい授業の在り方だと思いました。例えば、十五年戦争の学習の冒頭に、不戦条約を取り上げて日本国憲法の平和主義に繋がることを最初に学んで、それがどのような戦争体験から生まれてきたかをテーマに戦争の歴史を学ぶというような展開が想定できるのではないかと思いました。(Wさん)

○佐藤先生の憲法の授業実践について、特に印象に残ったのは絵本を用いて生徒一人一人の「平和」を考えさせる試みです。「平和」という言葉は「戦争がない」という状態を指すだけでなく、友達と話したり、家族とご飯を食べたりする日常が「平和」であると捉えなおすことはとても重要なことだと思いました。「平和」だからこそ、自身の楽しかったり、嬉しかったりする瞬間が守られていると認識することで、「平和」という言葉と日常生活がより結びつけやすくなると思います。そのような認識が、自身の「平和」が脅かされそうな時に抗議の声を上げることや、現代社会が置かれている状況が本当に「平和」であるのか問い直すきっかけになると思いました。「平和」を学ぶことは、自分や自分の周りの人々を大切にすることを学ぶことでもあると考えさせられた講座でした。ありがとうございました。(Rさん)

○正直に言いますと、これまでは小学校の先生の実践報告を「参考」としてしか捉えていませんでした。中学校や高校の授業に活かせることは何か、といった感覚で聴いていることが多かったです。しかし、この4月から小学校に配属されたので、今回は全てを聞き逃さないように、そして、今の授業に活かせることを探そうと、課題意識を持って参加しました。
 教科書がいろいろな意味で変わってきているなか、佐藤幸二さんは歴史と憲法の結びつきを薄くしないよう、授業の導入を工夫したり、歴史を学んだ上で、憲法について考えることができるよう仕掛けをしたりしていました。また、『鬼滅の刃』を年度当初の社会科の授業で扱い、子どもたちの関心をひきつけようとしている点が、本当に子ども想いの授業で良いなと思いました。そして、佐藤さんは、子どもが書いた絵を許容したり、子どもの関心事を意識したりと、子ども想いの先生だなと感じました。
 今回のお話のなかで得た情報として、今後の参考になりそうなのが、「単元の入れ替え」についてです。いろいろな場でお話を聞いていたからこそ、教科書の使用方法や単元構成、授業テーマの扱い方は、厳しいものだと感じていました。しかし、学習指導要領で指示がない限り、学校裁量で、単元の入れ替えや工夫はしても良いことになっていることを知ることができました。これによって、少し気持ちが楽になりました(あの後、学習指導要領の総則でそのことに触れる文言を見つけました)。小学校では市販のテストを使う関係で、大幅な単元の入れ替えはできません。それでも、前後を入れ替える程度のものであれば、自由がきくということが分かりました。4年生の社会科でも単元の順番に疑問を感じていたので、堂々と入れ替えることができます。
今年度は、3、4年生の社会科専科になりました。地域学習など、私がこれまで勉強してこなかった分野を扱っており、毎日授業をつくるのに、精一杯です。また、中学や高校と違って、小学生は一つ一つ丁寧にステップを踏む必要があるので、そこでも難しさを感じます。そんななか、佐藤幸二さんの授業づくりの視点と、寛容な姿勢が、とても勉強になりました。
また疑問として、6年生の段階で学ぶ「歴史」とはどのようなものなのか。6年生の歴史は、どのような扱い方をすれば良いのかということが気になりました。気になるテーマでもありますので、またいろいろな方と深めていきたいです。もし自分が、6年生を担当することになったら、どのような授業展開をしようか、と考えています。分からないことだらけの初任者で、毎日乗り越えるだけで精一杯ですが、やはり、この授業づくり講座に参加して良かったなと思いました。子ども想いの授業づくりを私も心がけたいです。(Yさん)                              

○小学校での憲法学習について、新学習指導要領になっての授業実践をとても興味深く聴くことができました。歴史学習と政治学習などの公民的な分野の教える順番が変わったことで現場の教員もどのように教えていくかで悩んでいる状況があることを知りました。その中で、これほどの実践が行えていることは、どんなこともやってみなければ新しい授業は見えてこないのだなと授業づくりの面白さを感じました。
 また、その時々の子ども達の流行りや身近な出来事を取り入れながら、子どもを社会科の授業へと引き込む導入などは自分も参考にしていきたいです。ありがとうございました。(Hさん)

2022.5.15「たのしい社会科」交流会

「たのしい社会科」交流会

2022年5月15日(日)13:00~16:00  Zoom開催 参加費/無料

授業実践報告
①生徒たちに明治時代の何を伝えられるかーー秩父事件を例に(東京都・中学校)
昨年、自由民権研究の第一人者・色川大吉氏が逝去した。そのような中、今回は、現代を生きる中学生が「明治」という時代から何を学び、考え、社会に生かそうとしているのかを、生徒のコメントから読み取っていきたい。特に秩父事件では、民衆の立場から、叛乱を起こした首謀者は悪かどうか裁き、当時の政府の実態に迫る。また、今単元でのICT機器の活用についても言及するので、様々な視点からのご意見を頂きたい。
②高校生による校則見直しの動きーー生徒と教師の対立を乗り越えて(千葉県・高校)
本報告では、勤務校である県立高校での校則改革の事例をもとに、生徒と教師の対立を乗り越えるための校則改革のあり 方を論じる。昨今、学校のブラック校則が問題視されるなか で、全国で校則見直しの動きが広がっている。生徒を中心とした校則の対話的、民主的な合意形成のプロセスは、生徒や教 師の認識にどのような影響を与えるのか。また、生徒対教師の 二項対立に陥らない校則見直しのあり方とは何なのか。研究 会当日は、勤務校で現在進行中の活動の記録を報告したい。

参加をご希望の方は代表アドレスまでご連絡ください。

例会情報2022年3月4月

船橋支部
4月1日(金)18:30~
支部例会
Zoomでの例会
   (1)千葉県歴教協研究集会県委員会総括(2)研究集会以外の県委員会・事務局会議報告(3)研究集会分科会報告(4)「2・11集会」総括*アンケートをもとに(5)

千葉支部
4月2日(土)17:00~
4月例会Zoomでの例会
   ①年間プランA4-1枚程度で事前に送ってもらえると助かります。②「壬辰戦争(秀吉の朝鮮侵略)と沙也可の授業―小中高生の歴史認識」③歴史地理教育3月号

習八支部
4月23日(土)~24日(日)
支部旅行「銚子と戦争」
4月は、支部旅行が例会を兼ねます。

松戸支部
4月20日(水)18:00~
支部例会
松戸市民会館202室
  ・「日本の軍国主義思想を問うー小野田寛郎を通して」

香取支部
3月31日(土)18:30~
3月例会
小見川社会福祉センターさくら館
   香取民衆史原稿検討/「良文海塚遺跡保存の歩みー仮題」/「米国戦略爆撃調査団文書から見た銚子空襲」

東葛支部
3月28日(月)19:00~
支部例会
Zoom

日本史部会
4月17日(日)
千葉市中央コミュニティセンター サークル室1

世界部会
4月24日(日)13時~19時
千葉市中央コミュニティセンター 5階調理実習室
   原稿の最終検討=原稿完成 ※2時間延長して原稿の検討をおこないます。
5月22日(日)
13時~15時
千葉市中央コミュニティセンター 集会室
   日本史部会との合同例会「勝山論文分析」
15時~17時 サークル室2 
   歴史総合実践報告「調べ学習で探究する世界史授業」