社会科授業づくり講座11月(感想を追記)

社会科授業づくり講座
11月講座のご案内

会場 東京学芸大学附属竹早中学校
日時 2017年 11月19日(日) 10:00~13:00
テーマ 高校「教育困難校の生徒たちと授業をつくる」
講師 浅尾 弘子さん(千葉県 高校教諭)

※ 教員の方,学生の方,教職を志す方,どなたでもお気軽にご参加ください。
※ 普段着で構いません。
※ 参加費 500円(学生は200円)
※ 事前予約などは必要ありません。途中参加,退出も可能です。

社会科授業づくり11月講座報告
「教育困難校の生徒たちと授業をつくる」
講師:浅尾弘子さん(千葉県 高校教諭)
1.参加者数:16名
2.講座参加者の感想(一部学校名などは編集しています。)
  ・後半の「蟹工船」の実践のお話ももちろん心にじんとくるお話でしたが、前半の職場づくりの話がとても心に残りました。そして、自分の心の持ちようを振り返りました。私は「ここだから(環境が良いから)できる」とか「ここではできない」という線引きを勝手にしてあきらめることも良くあったりしますが、どんな状況でも自分ができることを、していくことが必要なのだと思いました。私も今、この状況を良くすることを努力していきたいです。
    校長先生にプレゼントすることはやってみたいと思いました。今日参加させていただき本当に良かったです。(テスト作りで参加をあきらめるところでしたが、声をかけていただきありがとうございました。)

  ・途中からの参加になってしまいましたが、大変興味深い報告でした。私も今年から新採用として神奈川県内の昼間定時制の高校に赴任して、日々の授業や校務に追われています。今日のお話を聞けて授業の仕方は勿論、生徒との向き合い方についても非常に参考になりました。すぐに実践できるとは思いませんが、今日のことを参考にして、少しずつでも自分流に実現していきたいと思います。ありがとうございました。

  ・I高校と似たような学校で社会科(世界史)を教えているので、今回の講座はドンピシャな内容でした。生徒の生活知を基にして授業を作るという浅尾先生のご意見にはハッとさせられました。私は教える内容がまずあってそれをどのように料理すればいいと考えていました。自分自身がまだ「受験第一主義」から脱却できていないのかと感じました。

  ・今日も素敵な学びの会を企画くださり、ありがとうございました。楽しいお話に、初めから終わりまで笑いっぱなし、あっという間の2時間でした。まず、目の前の生徒たちを知る。毎日の生活、考えていること、家庭のこと…。そして何が必要なのか、とことん考える。次に考えたことを、どうしたら実現出来るのかチャレンジ、諦めない。しかも楽しく!

お話の最中、あれもこれもと様々な思いや考えが、胸に湧き上がりました。
1、学校の中核になることで、学校を変え自分のやりたいことを実現しようとしている。→振りかかかる主任などの役割に、どうやって逃げようかと常々 思う自分。でも、浅尾さんはチャンスととらえている。
2、授業を作ろうと思ったら、とにかく教材を集めまくる。例会でも広報する。たくさん集まったら、素材を組み立てる。→そうやってコレはと思う授業をつくるのね。
3、「社会科の学力」を主権者として行動する力、と考えるなら、困難校の生徒が進学校の生徒より「社会科の学力」が低いとは思わないという言葉が印象的。→ここで私はジーンときて涙が出てしまいました。何でだろうと、さっきからずっと考えているのですが、分かりません。ただそうだよな、それで良いのだという安心感はありました。毎日の勤務が辛いわけではなく、正直すぎる生徒たちを愛おしいという気持ちに共感します。まず、共通テストを上手く切り抜けられるよう提案しよう。

この子たちに必要なことは何?そして必要な学力は何?もっともっと、突きつめて考えていきたい。そして、それを実践に繋げていきたい。「ウチの子だから」「忙しいから」とどこかで、言い訳をし、サボってきた自分とも向き合わざるを得ない時間でした。ありがとうございました。
  
3.浅尾弘子先生(報告者)より
 若い方の多い会はそれだけでうれしくなりました。先生方の勤務する学校の生徒の状況、職場の雰囲気、管理職の姿勢などにより、私たち教職員にできることはおのずと制約されてしまいます。その中で日々奮闘しているわけですが、「どうせ…」「ここでは…」などとあきらめず、自分がめざす授業を実現するためにできることを探していくことが、大変ですがおもしろいことだと思っています。
私は教員生活41年目ですが、いまだに授業で悩み、苦しんでいます。それでも時々生徒の輝く目やすてきな文章などに触れたとき、他の仕事にはない喜びを感じます。教師にできることには限界があり、またその成果は大きくはないのですが、未来に生きる子どもたちがすこしでも成長できるよう、ともに頑張っていきましょう。
私の話を楽しんで聞いてくださり、ありがとうございました。

4.担当者より
   11月講座にご参加いただきありがとうございました。今年は年間を通じてどの月の講座にも15名ほどの方の参加があり、「社会科授業づくり講座」に興味を持ってくださっている方が確実に増えていることを実感することができました。
   今回の浅尾先生の講座は、職場づくりのお話を多くの方が興味を持って聞いておられたように感じました。現場で働く教員が授業や授業準備だけでなく、児童・生徒や職場の環境、仲間との人間関係などに悩み、どうすればよいのかわからず元気をなくしている。そんな状況に今回の浅尾先生のお話で「そうか!そうやれば良いのか!!」と希望の光を見つけた方も多いようです。実行委員会としては「社会科授業づくり講座」に社会科の実践報告以外の部分で求められていることに気がつけ、今後の講座運営の参考にもなりました。反省を来年度さらに良い講座が行えるよういかしてまいります。今年度もありがとうございました。来年度もよろしくお願いいたします。