社会科授業づくり講座 2月講座(感想を追記)

社会科授業づくり講座 2月講座

特別支援教育『夢を持ち、社会を生きる子ども達にできること』
宮下 和洋 (千葉県 特別支援学校教員)
津田 隆広 (埼玉県 特別支援学校教員)
会場 東京学芸大学附属竹早中学校
日時 2020年2月9日(日)10:00~13:30
※普段着で構いません。    
※参加費 500円(学生は、200円)
※事前予約などは必要ありません。途中参加,退出も可能です。
※講座後、昼食会も予定しております。是非ご参加ください。(当日参加を伺います)

詳しくはチラシをご覧ください。

2月授業づくり講座の報告
報告者とテーマ
 ◇宮下和洋 「普通科職業コースの特別支援学校における授業づくり」 
 ◇津田隆広 「知的特別支援学校における生活単元学習の取り組み」

参加者 7名
小:1名 中:2名 特別支援学校:4名

発表者より
宮下 和洋さん
 今回、特別支援教育の授業づくりについて、話をさせていただきましたが、日々の業務に追われ、まだまだ自分の授業実践と呼べるものが少ないと感じました。来年度はじっくりと授業づくりに時間を取り、皆様に少しでも役立つ、為になる実践を報告できればと思います。ありがとうございました。

津田 隆広さん
 今回は発表させていただきありがとうございました。共に発表した宮下さんとは同じ大学の友人であり、授業づくり講座で以前も一緒に発表させていただきました。その頃は、お互い特別支援教育というものを勉強中で拙いものだった記憶がありますが、今回発表をして、発表を聞いて、お互い成長し日々頑張れていることが再確認できました。特別支援教育は他の校種に比べまだまだ未知の世界と捉えられがちなので、もっと特別支援教育が身近なものになるよう私なりに努力を続けていきたいです。

参加者の感想
〇宮下さんの発表より
・職業教育だけでなく、人との関りなどを通して、自分を理解していくことや必要な能力を育むことを知りました。
・千葉県の様子が聞けて良かったです。「なぜ」「どうする」を大切にしている様子が伺えました。
・分校の様子がわかり勉強になりました。

〇津田さんの発表より
・特別支援学校で仕事をしていて驚いたこととして、食に対する関心が薄い子どもがいるということでした。津田さんの実践から食に関心を持てるようになる子どもが出てくることは良いなと思いました。私が働いている学校もデザートが好きな児童が多いので、さつまいもの授業や読み聞かせから食の幅を広げていけると良いなと思いました。また、生活単元学習の意味についても理解を深めることができたので、授業の目的なども考えていきたいと感じました。
・環境設定の大切さを改めて実感することができました。
・生活単元の取り組みでは、様々な先生方を巻き込み授業実践を行う、津田君のパワーに感動しました。特別支援はティームティーチングの文化が通常学級と比べてしっかりとあるので、みんなで授業づくりを行うことは私も見習いたいと思いました。(分校だと1人で授業を行うことが多いので…)

〇お二人の話から
・毎年この2月の講座で特別支援教育についての報告を聞かせていただき、毎回新たな発見があり、興味深い講座となっています。障害の程度や年齢段階によって実に多様な実践があり、課題も複雑だということに気づかされます。小学部の生活単元学習は戦後初期社会科のコアカリキュラムの実践、そして現在の生活科や総合学習の実践ともつながっているのだと思いました。一般の学校では、教科の縦割りがより強くなり、教科間の関連性や合科的な取り組みが弱くなっていると思います。それぞれに学び合うことが必要だと感じました。
・特別支援学校について、さらに多面的に深く知ることができました。お二人の準備、お話の深さを思うと、もっとたくさんの人に聞いてほしかったなあと思います。宮下さんのお話の最後に「より良い人生を送ることを目標に」という言葉がありました。子どもたちへの暖かさが心にしみました。特別支援学校・学級への赴任を希望していなくて、学ぶ姿勢もない教員も多く存在する現実の一方でお二人が真摯な教員生活を重ねてきたことに感じ入りました。
・「環境を整える」という視点が今の自分や学校に抜けているところだと思いました。教室の掲示や廊下の掲示など、すぐにでも変えられるところが意識すればいくつもあるので、見直してみたいと感じました。とにかく経験させてみる。社会で必要なことを身に着けさせるということは通常学級でも同じことなのですが、特別支援学校ほど意識できていないような気がします。通常学級でも何か上手くいかないことがあったり、課題が見つかったりしたときには、特別支援の視点に立って考えてみることも大切なのだと思いました。