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社会科授業づくり講座9月(感想を追記)

9月の授業づくり講座

日 時:9月17日(日)14:00~17:00
会 場:東京学芸大学付属竹早中学校 丸の内線 茗荷谷駅徒歩12分
報告者とテーマ:
森下周亮(埼玉小学校教員)「特別活動を生かした学級経営」
宮崎令子(元埼玉小学校教員)「長く続いた戦争と人々の暮らし」
参加費:500円(学生200円)

<社会科授業づくり9月講座の報告>
「特別活動を生かした学級経営」森下周亮(小学校教員)
「長く続いた戦争と人々の暮らし」宮崎令子(元小学校教員)

1.参加者数:15名(講師を含む)
  内訳…大学生(大学院生を含む):4名 教員:11名 

2.講座参加者の感想
 <森下さんの実践報告について>
・「あたたかいクラスにしたい」という思いを一貫してもって日々学級経営に取り組んでいる先生の姿勢が、子どもたちにもよく伝わっていると思いました。
・係ランチや係カードは形式を変えて、実戦できたらと思いました。小学校で、これまで深く学び言葉にできることに驚きました。小学校で、何を習得し、どのように活用したのかを知ることは、必要なことだと痛感しました。見通しをもち、関連付けを行っていきたいと思います。
・反対の立場を明らかにして意見を言うことに賛成です。自分とは、異なる意見が存在することを知ったり、反対意見を言われることは、自分が否定されることではないことを学ぶ上で、大切だと思うからです。様々な意見が対立するとき、どのように解決するのかを学ぶことにもつながると思います。
・算数の丸付けの仕方で、わざと間違いを紛れさせる方法は、ちょっとした子どものコミュニケーションにも繋がってくると思います。細かな子どもとの交流も大切にしているので、とても勉強になりました。
<宮崎さんの実践報告について>
 ・宮崎先生の実践は、いつも資料が豊富で、子どもたちの学習の深まりも良く見えるなあと感じます。たぶん子どもたちは、大人になってもこの時の学習を覚えているだろうなと思います。子どもたちの感想に「一番平和な国にしたい」という文がありました。これを安倍首相が見たらどう思うのか…と思いました。
 ・どうしても命の大切さや戦争をしてはいけないということに落ち着きがちなので、なぜ起きたのかまで学習する必要があると私も感じました。歴史を繰り返さないためにも歴史から学ぶ。このことが歴史を学ぶ最大の意味だと思います。「なぜ」・「どうして」の部分まで学べるような授業づくりをしようと思いました。
 ・宮崎先生のご報告にあった子どもたちの感想文をたいへん興味深く読ませていただきました。子どもたちなりの視点で分析しているように感じました。このように学んだ子どもたちは、ニュースや新聞を見たり、話を聴いたりするときの意識がかわってくると思います。大変勉強になりました。
 ・グループごとに沖縄について学習した成果を見て、ここまで深めることができるのかと驚きました。子どもの主体性も引き出すことのできる素晴らしい手法なので、自分も参考にしたいと思います。
 ・憲法学習のまとめに「お気に入りの条文」はやってみたいと思いました。新学習指導要領の話はショックでした。よほど注意しなければいけないでしょうが、難しいことだと感じました。

3.報告者より
 *小学校の特別活動について、報告をさせていただきましたが、他の先生方の意見を聞かせていただき、勉強になりました。また、報告することを通して、自分の中でも、特別活動について整理することができました。今回の講座を通して、特別活動の大切さを改めて確認できたら嬉しいと思いました。(森下周亮さん)
 *台風の雨にぬれる覚悟で若い方たちがたくさん参加してくれて嬉しかったです。森下さんの報告は、1年目の反省を生かして目当てをはっきりと持ち、試行錯誤の中で一つ一つ着実に前進している姿が目に浮かび、素敵でした。私は自分自身の教師生活最後の実践報告として、少しでも若い人たちの今後のヒントになればと思ってお話させてもらいました。皆さんの感想を読ませていただき、短時間の中でそれぞれの方が真摯にいろいろな方向から受け止めて下さったことが良く分かりました。どうもありがとうございました。今後も若い人たちと共に学び続けていきたいと思います。(宮崎令子さん)
 
5.担当者より
   悪天候のなかでも、これだけの参加者が集まってくださったのは、実践報告の内容が興味深いものだったことや各実行委員の宣伝努力に尽きると思います。若手の森下さんの「特別活動を生かした学級経営」の実践報告では、学級歌や旗、フェスティバルの話し合いなど、子ども同士のやりとりが活発で、資料や森下さんのお話からも、とても楽しくあたたかい学級であることが伝わってきました。自分が2年目の時に、こんなにしっかりした学級経営できていたかなと…ただただ感心するばかりです。なぞなぞ係をはじめ、2学期以降の係活動の活性化にも期待しています。宮崎さんの実践報告では、資料、体験談、交流などあらゆる手法や教材を用いて、戦争について考えていく単元計画が素晴らしいなと感じました。8時間の授業で、ここまで丁寧に授業をつくることの努力や教材研究の熱意は、若手にもベテランにも勉強になったと思います。子どもたちの感想からも授業を受ける前と終わりでは、戦争に対する認識の変化が見られ、深い学びとなったことがよくわかりました。(宮下和洋さん)

社会科授業づくり講座7月 感想を追記

社会科授業づくり講座

テーマ:「江戸城周辺と靖国神社を歩く」
2017年 7月16日(日)10:00~16:40(懇親会あり)

参加費(資料代含む) 
一般:500円  学生:200円
遊就館入場料
大人 800円  大学生 500円  中高生 300円

詳しくはこちらのチラシをご覧ください。

社会科授業づくり7月講座報告~江戸城周辺と靖国神社を歩く~
1.日 時 :7月16日(日)10:00~16:40
2.参加者数:22名(猛暑と学期末の過労から体調を崩し、直前にキャンセルした方5名!)
3.講師の先生(東海林先生)から (8月3日にいただいたコメントです。)
 暑い中、熱心に参加していただき、ありがとうございました。皆さんのような方々と一緒に歩くことに依って、さらなる教材研究の大切さ、面白さを感じます。
退職後は、時間的なゆとりができ、平日しか開館していない資料館等に出かけ、一次資料に対面しては歴史を直に体感しています。それと同じように、歴史の現場に立ち、さまざまな角度から眺めてみるというのも面白いです。ただし、現場は今となっては何も語ってくれませんので、その証言資料が必要になります。その資料の一つに時間がかかりますが、一次資料があります。こんなことを繰り返す中で、現職時代には知らなかったことが今になってわかってきたことがたくさんなります。お忙しい日々、子どもたちのために日々奮闘している皆さんに、学んだことを少しでも伝えていきたいと思っています。
優秀さの面で、世のチルドレンとの違いを発揮した中学生のYさんとKさん、ちょっと難しくてごめんね。
実行委員の方々のきめ細かなご配慮と運営で無事に終わったことを感謝いたします。交流会も含め、楽しいひと時、ありがとうございました。 明日からの神奈川/関東大会でも学び合いましょう。
4.講座の感想
*今回、詳しい解説をしていただきながら見学でき、大変勉強になりました。自分で行っていたらおそらく通 り過ぎていただろうというような、文字や像などで立ち止まって、それが意味することを知ることができました。そもそも、靖国神社は太平洋戦争にかかわるものというイメージが強く、今回、戊辰戦争から始まるものだと知り、驚きました。自分の勉強不足を 痛感します。賊軍と言われる人たちは祀られていないというところに、不平等さを感じました。砲台が今も残されていること、でもそこには何の説明もなく、本来の意味が知らされていないことがわかりました。こうして、歴史は風化していってしまうのかと思い、危機感を感じました。私たちは、事実をきちんと知り、伝えていかなければならないと思いました。
 *戦争による死を尊い死、天皇=現人神も祈ってくれるありがたい死ということで済ませるために必要な装置だったということが分かりました。江戸城の様子も伺ったことがない場所だったので、魅力的でした。企画して下さった皆様、ありがとうございました。
*説明がすごく分かりやすかったです。皇居とか初めて行く場所だった。東海林さんのガイドで様々なこと
勉強できました。遊就館で、21カ条の要求や南京大虐殺がなかったり.歴史の歪みがあることや、明治      を理想化している面を見ることができたのは良かったと思う。このような歪みを正しい歴史で直して欲しい(していきたい)。
*靖国神社のFWは3回目でしたが、繰り返しお話をうかがって、やっと定着したことや初めて聞く内容などさまざまで、一日中勉強になりました。 よく考えれば当たり前なのですが、説明を聞きながら皇居を歩くと、石垣や堀、櫓、跳ね橋などがあり、「やっぱり城なんだな」と実感しました。 靖国神社では、様々な問題点をはらむ展示物の中で、清から戦利品として奪った狛犬と徴兵保険の会社が奉納した灯籠が印象に残っています。子どもの獅子が乗っていて、お尻の穴まである、とても珍しい狛犬の石像はやはり清の富の象徴だったのでしょう。「戦利品」を意識して戦争を見たのは初めてでした。
また、徴兵制度ができたことで「徴兵保険」が生み出されたこと、さらには保険会社が儲かって灯籠を奉納したことは、とても興味深かったです。ガイドの東海林さんは、穏やかな口調で今までの蓄積の中から厳選した内容の説明をしてくださり、とてもわかりやすかったです。口調は穏やかでしたが、重い資料を持ってぐんぐんとみんなを先導して下さる強さも感じました。その説得力のある説明は、東海林さんが原資料をあたってこつこつと検証を重ねていることが背景にあるのだと思いました。
 *普段、皇居や靖国神社をじっくり見ることは、あまりないので、今回のフィールドワークは、とても貴重でした。様々な箇所で今まで知らなかったお話が聞けて「そんなこともあったのか」と、それまでの知識の幅がさらに広がりました。東海林先生は、とても詳しく分かりやすく説明されていて、その中でも印象に残っているのが遊就館です。遊就館は、一般的な歴史資料館と比べ、戦前・戦中を主としていたり、「あれ?」と思うような説明がされていたり、と特殊でした。そんな遊就館で戦時中の兵器などを見ながら、その当時の話を東海林先生から聞いて、改めてもう二度とこんな戦争をしてはいけないなと思いました。あのような惨禍を、もう二度と引き起こしてはなりません。米軍基地問題、慰安婦問題など問題はたくさんありますが、どのような形にせよ、戦争はしてはいけないということだけは明白だと思います。

5.担当者より
今年度も、「社会科授業づくり講座フィールドワーク」への御参加、ありがとうございました。
今回の靖国神社と江戸城周辺のフィールドワークでは、東海林先生のきめ細かなご説明やたくさんの資料を拝見させていただいたことで江戸城周辺の史跡、靖国神社のつくられた目的や歴史的意義などを学ぶことができました。また、靖国神社の案内を80回以上もされている東海林先生の学ぶ意欲や探求心を参加者一人一人が、感じ取ることができたのではないかと思います。本当にありがとうございました。
猛暑の中でしたが、22名の参加者が集まり、昨年度の全生園フィールドワークに引き続き、おかげさまで今年も大盛況でした。何よりも勉強熱心な中学生が参加してくれたことが嬉しかったです! さすがI&Kチルドレンですね(笑) 次回の授業づくり講座は9月です。皆様のご参加をよろしくお願い致します。

社会科授業づくり講座 ~5月講座と年間予定表のご案内~ 感想を追記

2017年 5月21日(日) 
10:00~13:00

テーマ 中学校 社会「どのように」から「なぜ」へ
講師 倉持 重男さん(埼玉県元中学校教員  現:大学講師)

会場 東京学芸大学附属竹早中学校(東京都文京区小石川4―2-1)
交通案内
・丸ノ内線「茗荷谷駅」下車、徒歩12分(改札を出て、出口1を右側⇒春日通りを直進)
・南北線・丸ノ内線「後楽園駅」下車、徒歩15分(改札を出て、出口4へ、富坂下交差点を左折⇒春日通りを直進)
・大江戸線・三田線「春日駅」下車 徒歩15分(改札を出て、出口6⇒春日通りを直進)

※教員の方,学生の方,教職を志す方,どなたでもお気軽にご参加ください。
※普段着で構いません。    
※参加費 500円
※事前予約などは必要ありません。途中参加,退出も可能です。

お問い合わせは下記の案内をご覧いただき、連絡をしてください。
社会科授業づくり講座 ~5月講座のご案内~

社会科授業づくり講座の年間予定表は、こちらをクリックしてください。

5月社会科授業づくり講座のまとめ
「中学校社会科『どのように』から『なぜ』へ」2017年5月21日(日)講師 倉持 重男先生(埼玉県元中学校教員 現大学講師)、担当 宮下 和洋、参加者13名(講師含む)

1.倉持先生からのコメント
 先日は、遅刻した上にバタバタとして大急ぎの報告になってしまい、満足に説明できず誠に申し訳ありませんでした。その上こんな温かい感想を送っていただいてありがとうございました。感謝です。豊田さんにも渡します。時間不足となり、「どのように」から「なぜ」への地域バージョンと近現代バージョンが話せなかったことが心残りです。実行委員の方の温かい運営と援助に感謝します。

2.参加者の感想
<倉持先生へ>  
・倉持先生の「生徒に質問させる」授業は。ロスステインという方の「たった一つを変えるだけ」と、非常に近いなと思いました。
・授業づくりとクラスづくりと学校づくりが全てつながっているということが、先生のお話からとても良くわかりました。
・先生の紙貼りシステム、とても素敵だと思います。最後にどんな授業をしたのかが一目でわかるのと、みんなで同じものを見て考えるのがあたたかく、楽しい授業につながるのだなと思いました。
・倉持先生の人間性に深く打たれました。授業が上手になるだけでいいのか?という問いかけは重要だと思いました。
<豊田さんへ>
・実際に現地に行き、三線を学んで沖縄の今を伝えようとしていることが素晴らしいです。「普天間=危険→移設すべき」という素朴な発想を沖縄の世論調査でひっくり返し、移設だけでないことに目を向けさせていたことが良いです。ただ、「移設の賛否」だけの選択肢でよいか、基地経済の実状を示さなくてよいかなど、検討が必要かと思います。また、中1の地理を念頭に置くなら、沖縄の豊かな自然や特色ある産業も視野に入れたいですね。
・「(良い意味で)際どい」実践をしたことがなかったので、豊田さんはすごいと思います。勇気がいることです。人によって立場・意見が違うという大事な部分を学べるのだと思います。
・三線から導入して感性を揺さぶるのが良かったです。沖縄の人々の思いに寄り添い中学生に事実を伝え、考えさせていく過程が良く考えられていたと思います。9月に引き続き沖縄授業の交流を深めていきたいと思いました。

3.担当者より
 今年度、最初の授業づくり講座、ありがとうございました。倉持先生の人柄がとても気さくで面白く、軽快なトークで、あっという間に時間が過ぎてしまったように感じました。長い教員人生、挫折や失敗があり、そこから立ち上がるからこそ、子ども達のために素敵な学級経営や授業づくりができるのだと思いました。私も子どもたちの「なぜ」を大切に授業をつくっていきたいと思います。たくさんの資料もいただき、ありがとうございました。
 また、今回は学生の豊田さんが、「沖縄の基地の移転問題」について模擬授業をしてくれました。授業をつくるにあたって、実際に自分の足で沖縄へ行き、教材研究する努力や熱意は、我々教員も大切にしたいところだなと思いました。また是非とも実践報告をお待ちしています!

授業づくり講座11月(感想を追記)

11月授業づくりの講座お知らせ

日 時:2016年11月20日(日)14:00~17:00   

会 場:東京学芸大学附属竹早中学校
(丸ノ内線「茗荷谷駅」下車徒歩12分下車徒歩15分)

講 師:石上徳千代さん

テーマ:子どもの「なぜ」を大切にする授業

参加費:500円

詳しくはチラシを御覧下さい。

お問い合わせもチラシの宛先にお願いします。

11月授業づくり講座のまとめ
「子どもの『なぜ』を大切にする歴史学習」
2016年11月20日(日)  講師 石上 徳千代 (茨城県小学校教諭)
          担当 森下 周亮    参加者 10名
1.講師からのコメント
日頃意識している子どもの「なぜ?」について、教材研究の様子や子どもの具体的な学びなどをお話させていただきました。今回の報告は、私自身にとっても日頃の取り組みを振り返る貴重な機会となりました。参加してくださった方々の感想を読むと、子どもにとって価値のある問いを見出すことが大切であり、子どもの追究を支えるためにも見守ることが重要であると改めて感じました。以前から関心をもっていた授業づくり講座に参加でき、私にとってもたいへん有意義でした。これからもこの講座を大切にしていただき、継続してほしいと思います。そして、何か手伝えることがあれば、協力させてください。ありがとうございました。   
2.参加者の感想
・石上先生の実践は、若い人たちにも聞かせたいと思いました。難しい課題だからこそ、子どもたちの意欲も高まるし、思考も深まると思いました。
・とてもよい学びができました。自分自身、なかなか上手く子どもたちに考えさせることができないので、実践例を知ることで、自分に足りないものや生徒がどんな時に目を輝かせるのかというのを考えられたのはよかったです。
・「なぜ」は、意外性や矛盾を見つけることから始まるので、教材研究の中で常に疑問を見つける努力が必要だと感じました。子どもたちが関心を持つ問いを、どのように授業の内容に結び付けていくかということを今後の課題としていきたいと思いました。
・「問いと答えの間」についての指摘や、それを生かすための教材研究についてのお話は大変勉強になりました。「授業はその場で解決しなければならない」という考えが無意識のうちにありましたが、その考えを改め、様々な学びの形を考えていきたいと思います。
・石上先生のお話を聞きながら、自分が社会科を好きになるきっかけになった先生のことを思い出しました。その先生も、石上先生を同じように、いろいろな知識を持っており、子どもの持った疑問をとても大切にしていたと思います。子どもの「なぜ」と思う気持ちを、上手く育ててあげることが、社会科が好きで、よく考え行動できる子どもが育つのではないかと感じました。
・子どもたちから豊かな発想をフルに引き出すすごい授業だと思いました。児童に簡単に答えを教えてしまわずに、子どもに発見させるまで、我慢することも大事なのだということが分かりました。

授業づくり講座10月(感想を追記)

10月授業づくり講座のお知らせ

日 時 2016年10月1日(土)
     12:50~17:00
集合場所 東武東上線南口(地下鉄成増駅からも可)
内 容   成増・和光・朝霞フィールドワーク
        ~文学・史跡・自衛隊基地(米軍基地跡地)~
講 師   中條克俊さん(埼玉中学校教員)
参加費  500円
*懇親会を予定しています(チラシ参照)。 

詳しくはチラシを御覧下さい。

お問い合わせもチラシの宛先にお願いします。

10月授業づくり講座報告
  ~成増・和光・朝霞フィールドワーク~  *14名参加

中條克俊さん(講師)からのメッセージ
 2016年10月1日、1時から歩き始めていたのに懇親会の場所にたどり着いたときは世の中真っ暗になっていました。私にとって、三回目のガイド役としてのフィールドワーク参加でした。
社会科教員としての私は歴史教育者協議会に育てられました。その私のせめてもの恩返しのつもりで、社会科教育の「生命線」ともいうべきフィールドワークのガイド役を引き受けました。一、二回目は生まれ育った新宿を、そして今回は第二の故郷となった朝霞・和光を中心にチャッチャッカとみなさんと歩き回ることにしました。歩く速度は金子真先生の教え通りに、(気が)早く(スピードが)速くです。参加されたKさんからは「今回は坂あり、歩道橋ありのコースでした。万歩計は1万5000歩でした」とうかがいました。みなさん、あきれたことでしょう。
 今回もフィールドワークのおもしろさを知っていただけたでしょうか。皆さんの感想を読ませていただき、少しはお役に立てたのかなと思いました。
   *詳しい内容は、追って『歴史地理教育』に執筆して頂きます。

参加者の感想
*一日歩いた地域だけで、古代から江戸、明治、大正、昭和・・と様々な時代の歴史に触れました。中條先生や清水かつらの研究をしていた地域の方のように地域の歴史を掘り起こす方がいらっしゃるからだと思います。たくさんの資料を準備してくださり、感謝しています。また、朝鮮半島と日本のつながりの深さを改めて感じました。実行委員の方が、南栄神社の蜘蛛の巣までとってくれました。FW中もずっと、細かなことに気配りをしてくださってありがとうございました。
*中條克俊先生の明快な説明で頭の中が整理されて,現在,調べている陸軍所沢飛行場・ 米軍所沢基地・米軍所沢基地返還運動の解決方法に見通しを持つことができました。成増では中條先生の「ここにも特攻がありました。B29に対する特攻です」という話から,所沢基地がなぜ成増基地の隷下になったのかが分かりました。成増が,帝都防衛の第一線の戦隊をもつ基地だったからです。所沢飛行場の所沢整備学校は敗戦間際,教材用にしていた戦闘機に機銃を取り付け,機銃弾を詰めて一つの戦隊を組んだそうです。敵機がくると,成増から指令が入ると迎撃に飛びたちました。
*キャンプ・ドレイク跡地。返還されて40年近くなるそうですが跡地はジャングル化。でもフェンスの奥を覗くと錆びた英語表記の看板などが放置してあります。国家公務員 宿舎建設予定があった際に行われた土壌調査では鉛やダイオキシンも検出されたとのこ と。基地返還の際、原状回復の義務がない不平等な日米地位協定の構図を間近に見ることで、沖縄の構図が私たちが暮らす地域の身近にあることを確かに感じました。帰りの電車の中で頂いた資料を拝読。中條さんは地域の方々からの聞き取りはもちろん敗戦直 後から米軍占領時代の朝霞、独立回復後から基地返還までの朝霞を知るために、地域の 図書館で「埼玉新聞」「埼玉タイムス」のマイクロフィルムと縮刷版を読み込んだ経験 も書かれていました。こんな風に地域を調べる手法もあるのかと学びました。「すべての学習は平和を目指すためのもの」という中條さんの信念に共感します。
*中條先生が「朝霞の森で、現在と過去の対話(E・H・カー)を試みて」とおっしゃる通り、朝霞は、基地の街だったところから、地域の方々と朝霞市が共同で基地跡地に「朝霞の森」を完成させた、まさに過去と現在を知り、そして未来に向けて私たちが何をすべきかと真剣に考えさせられる場所でした。
 さらに、朝霞は「音楽の街」と私は勝手に名付けています。私が大好きな歌声の本田美奈子、「靴が鳴る」の作詞家・清水かつら、早稲田の大先輩の児童文学者・大石真、ほか多才な方々の生まれ育った街。そして、ジャズ。フィールドワークの終わりに、進駐軍ジャズのお店で現存する最古の「ジャズ喫茶・海」に行き、ライブを堪能し、マスターにお話も聞きました。かつては、米兵で賑わい、喧嘩や犯罪も日常茶飯事であった様子や、先代マスターとジャズを愛する人々によって、ここまで続いてきたこと…。ここにも「現在と過去の対話」がある!と私はしみじみ思ったのでした。

実行委員の感想
  本講座のフィールドワークを3回も担当してくださった中條先生、本当にありがとうございました!朝霞駐屯地の見学では、実際に自衛隊の方が着用している服や備品、乗っている戦車などを見学することができたり、自衛隊の方と話をしたりととても勉強になりました。また、安保法による自衛隊の権限が拡大されたことを考えると、そこの広場で楽しそうに遊ぶ小さな子どもたちの姿をみて、複雑な気持ちにもなりました。改めて社会科教員として、平和学習や憲法9条について学ぶ意義や重要性を感じました。
毎年のフィールドワークに参加して思うことは、時間がかかっても、昔から住む方のリアルな体験談や話を聞くこと、自分の足で歩いて何かを発見することや検証することが大切なんだということです。偉そうなことを言っていますが、中條先生のような、子どもたちのために努力を惜しまない教員になれるよう、頑張りたいと思いました。

授業づくり講座9月 特別編(感想を追記)

9月授業づくり講座(特別編)のお知らせ

日 時:9月10日(土)14:00 ~17:00
会 場:東京学芸大学附属竹早中学校4F社会科室
    (メトロ丸ノ内線下車徒歩12分) 
テーマ:特別支援教育を知ろう!
報告者:津田隆広(埼玉 特別支援学校教員)
    宮下和洋(千葉 特別支援学校教員)
内 容:特別支援学校の授業や環境づくり、授業を行う上で大切にして
     いることを紹介し、通常学級に在籍している子どもたちひとりひとりに
    とってのわかる授業づくりのヒントにもなればと思います。

9月授業づくり講座アンケート テーマ~特別支援教育とは~
1.参加した方たちの感想(一部抜粋) *参加者は9名でした。
・「子どもの実態」と「基本的な発達の型」両方を考えることが大切だということが分かりました。
・お二方の先生方が本当に丁寧に資料を作ってくださって、とても良い機会でした。
・授業のユニバーサルデザイン、今後も意識しながら自校で実践ができると思いました。
・特別支援学校勤務の若手二人が特別支援教育の基本的なことや学校の実情などとても分かりやすく話していただき様々なご苦労も含めて良く知らない私にとって大いに理解が進みました。
・たとえ少人数とはいえ、個人差に対応することの大変さや、その子に見合った課題を見定めることの難しさが感じられました。
・津田さんの話に出てきた、個別性と普遍性の視点の中に年齢相応の課題を選ぶという視点があるだろうと気付かされ、これらが一般校での授業にも役に立つと感じました。本日は私にとって刺激的な報告ありがとうございました。
・特別支援教育の現状と実際を学べてとても良かったです。
・<宮下さんのレポ>「特別支援学校の紹介」というところで全体像がとても分かりやすく説明され良かった。質問がいろいろ出て、自分も聞きたいことが聞け、ありがたかった。
・ <津田さんのレポ>我が子からはじまり我が子に終わり、子どもの発達段階や支援について愛情深く具体的に語られていて良かった。
・特別支援教育についての知識や考え方を知ることができ、とても参考になりました。特に発達段階を理解することと最終的な目標を見通すことは通常学級においても変わらない大切なことだと思いました。特別支援を別の教育と考えるのではなく、通常でも活かせる技術や考え方として自分もさらに理解を深めていきたいと思います。
・とても大切なことを学んだ講座でした。お二人が児童・生徒一人一人をみつめ丁寧に向き合っている姿勢に40人である程度学力の高い子どもたちに対しても、もっと良い接し方があると思い、今日のことをいかしていきたいと思いました。
・津田さんの子どもの発達段階をふまえた授業の在り方、ぐにゃぐにゃスティック勉強になりました。環境要因を整えて、子どものわかる、できるを増やしていきたいと改めて感じました。

2.発表者より
宮下 和洋
 今回、講師として、特別支援学校の事や特別支援教育について話す機会をいただいた事で、自分自身にとっては、今の仕事ぶりや考え方等を見つめ直す良い機会となりました。また、津田くんの話をきいて、子どもたちや保護者の思いに寄り添えるよう、もっと頑張らねば!と感じさせられました。ありがとうございました!

津田 隆広
 このたびは講座へのご参加ありがとうございました。「社会科」授業づくり講座であり、特別支援学校に勤務し、社会科を教えていない私が報告できることは無いとモヤモヤしていた中で、今回特別支援教育について話す機会を与えてくださり本当に嬉しかったです。当日はやや伝え方が良くない場面もあり、自己評価としては30点くらいでしたが、どんなことを皆さんにお伝えしたいのか考え、しっかりと準備し、話すことができたのは良かったです。「特別支援教育」と名前が付けばなんだがとても特別な教育だと思われてしまいますが、私はどんな先生であっても求める目標や支援の仕方に違いはないと考えます。障害を持った子もそうでない子も多くの周りの理解があってこそ成長できるので、皆さん一人一人が子どもたちの「個性」を認め愛情を持って接していただきたいです。今後も特別支援教育を学び続け、それを通常学校に異動した時に活かせるよう努力したいです。

授業づくり講座・特番7月フィールドワーク(感想を追記)

授業づくり講座・特番 7月フィールドワークのお知らせ

今年度、授業づくり講座は、年間計画とは別に、いくつかの催し
学習会を計画しています。7月は、全生園フィールドワーク
で、ハンセン病の歴史を学びます。

平成28年7月17日(日)
10:30~16:00
JR武蔵野線 新秋津駅 降りてすぐのバス乗り場  10:20頃集合

詳しくはチラシを御覧下さい。

お問い合わせもチラシの宛先にお願いします。

7月社会科授業づくり講座フィールドワーク報告  7月17日実施 参加者19名
 映画「あん」の舞台ともなった全生園とハンセン病資料館を、青木祐子さんの案内で
 見学し、元患者さんの平沢保治さんのお話を伺うという心に刻まれた1日でした。

<参加者の感想から>                   参加者19名 
○青木さんの心のこもったご案内は、全生園の人々の深い思いを伝えてくださったと思います。本で読んでいたものからのイメージとはちがう、すばらしいフィールドワークでした。先生の今までの実践の豊かさを感じました。平沢さんのお話も、差別の苦しみと、それを与えた人々を許す寛容さ、生き抜く力の尊さを感じました。

○教育実習の時は、ハンセン病について教科書とネットでの浅い知識しかなく、人権問題について大事な単元であるにも関わらず、生徒の心に響く授業ができませんでした。それがひっかかっていたので、今回参加しました。今回一番強く思ったことは、ハンセン病の患者は「かわいそうな人」ではなく「強い人」だったことです。もちろん、ひどい差別や待遇が存在し、患者の方や元患者の方を深く傷つけた事だと思い、それを思うと何と言っていいものか分からない気持ちになります。しかし、そのような中でも自らより良い暮らしをしようと、努力し、最終的には自らの力で人権を回復した方々は本当に強くとても尊敬します。

○青木さんが本当に分かりやすく教えてくださり、理解することができました。授業で、ハンセン病について何をどのように伝えたら良いか迷いながらやっていましたが、青木さんのお話や食事の時やFW中に参加者の皆さんと話した中で、知った人が伝えていくこと、子どもたちがハンセン病の元患者さん達に対する認識を転換させたお話が印象に残りました。青木さんの行った子どもたちによるガイドツアーのような実践ができたらいいなと思います。

○前から学びたかったハンセン病の歴史。そして、全生園のこと。とてもよい機会を頂きありがとうございました。現場にいると「明日の授業をどうしよう!」と狭い視野(HOW TO的な)で悩みますが、授業の心のような大切なものを授業づくり講座ではいつも学ばせて頂いています。今回もすてきな企画をありがとうございました。

○今回、ハンセン病の資料館や園内をフィールドワークをすることで、普段みることのできなかった生活の様子を見る事ができた。一番印象に残ったのは、平沢さんのお話で、9割が差別など、1割が光を求めて生きてきた人生であるという言葉だ。かんたんなことのように思える問題がとても難しい。それを変えていける方法はとにかく行動に起こすことであると思う。私は、今日のことを踏まえて、人権について考えていきたい。

2・参加の動機・経緯
・同僚からの紹介・顧問の先生からのお誘い・歴教協からのチラシ顧問の先生からのメール・大学の先生からのお知らせ・前回参加して、良かったので・実行委員からのお知らせ・大学の先輩の紹介・実行委員からの紹介があった頃、映画「あん」を見ていたので、「行きたい」と思いました・友人にさそわれて参加しました。・5月授業づくり講座の時にお知らせいただきました・姉の中学時代の担任の先生からの紹介で

社会科授業づくり講座 5月(感想を追記)

社会科授業づくり講座 5月講座
 【後援】歴史教育者協議会 / 東京都歴史教育者協議会 / 埼玉県歴史教育者協議会
     茨城県歴史教育者協議会 / 全国民主主義教育研究会 / 地理教育研究会

5月28日(土)14:00~17:00
会場:東京学芸大学附属竹早中学校(文京区小石川4-2-1)

テーマ:高校 日本史「もの教材で学ぶ歴史の授業づくり」
講師:鳥塚義和さん(千葉県 高等学校教員)

 自分で糸を紡いだことはありますか?弥生時代の人はもちろん、江戸時代の農民もほとんどの人が自分の着る服を自分でつくれたのです。綿から糸を紡いでみましょう。手で紡ぐ、紡錘で紡ぐ、糸車で紡ぐ、生徒も夢中になるはずです。
 また、授業でいきなり赤紙を配り、これが来たらどうするか、軍隊に入り戦場に行くとどのような体験が待っているのか問いかけてみましょう。完全な形の召集令状を復元しましたので、赤紙もおみやげにどうぞ。
 その他、絵巻物、勘合、年貢割付状など、『歴史地理教育』の連載「モノ教材が語りだす」で紹介したモノを、実際に手で触ってみてください。

どなたでも参加できます。参加費500円
年間予定表もつけておきます。

授業づくり講座5月

授業づくり講座年間予定表2016

お問い合わせは東京都歴史教育者協議会ホームページにお願いします。

講座に参加された方々の感想(一部抜粋)
*すてきな学習会を企画して下さり、ありがとうございました。自分がおもしろい!と思うものは、生徒もおもしろいのだと思います。仕事をスリム化して、もっともっと楽しいことをしていきたいと感じました。来年1月には沖縄修学旅行なので、とりあえず学校にゴーヤを植えようと心に決めました。できるかなぁ・・・。

*今日は大切な「もの」を見せて頂き、かつ貴重な体験をさせて頂きました。綿から糸を紡ぐのは、けっこうむずかしかったです。1本作るのにこんなことでは・・・、産業革命の機械化がいかに大変なことだったのかが実感できました。
勘合符って、あんなに大きかったんですか。東書の教科書を見て、画用紙を2つに切って合わせて授業して、随分単純な「札」だとは思っていましたが、やっぱり・・・。

*「モノ教材」の素晴らしさを再認識することが出来ました。鳥塚先生の一貫して変わらない熱意が伝わってきました。なおさら若い先生方に学べる機会、時間の保証を、どうやったら確保できるか、考えてしまいます。私自身にとっても課題です。

*めちゃくちゃおもしろかったです!!!「何がどういう風になって今の暮らしがあるのか」そういう根っ子のところがわからないまま過ごさせられている中で、今日のような授業は頭と体がびんびん刺激されて、生きる・暮らすと言うことを感じ取ることができました。

*現在、地球儀を持って行っただけで、中学生は喜んだりする。私自身お世話になった先生が、いろいろなモノを持って来て下さる先生だったので、いま講師の立場で忙しくはないので、教材探し、どんなモノが使えるのかを考えていきたいと思いました。

*アジア太平洋戦争の授業で、赤紙を持っていたら、教室に一人でいた生徒が「あっ!赤紙だ。先生、それ初期の赤紙ですよね。」と話しかけてきました。1年生の時に戦争体験者に聞いた時に、染料不足でだんだんうすくなったと聞いてきたそうです。そういう学習を増やして行けたらいいと思います。

5月講座講師 鳥塚義和さんからのメッセージ
 長年かけて集めたモノ教材とそれを使う技を、機会があれば若い人たちに伝えたい、
と最近思うようになりました。今日は、そういう機会をつくってくれて、ありがとうございました。モノ教材がそれを集めたり、つくったりした人の個性とわかちがたく結びついていること、それがモノ教材の魅力の一面であることをあらためて気づかされました。
と同時に、誰にでも用意できるようにすること、使えるようにすることも可能であり、私自身が「社会科の授業を創る会」から学んだことがいかに大きいかということも実感しました。モノ教材の普遍性を生かし、若い人にひろげていくためにも、やはり「モノ教材資料館」は必要だと思いました。